分厚い本なので、じっくり読んだというよりも、猛烈な速さで斜め読みした感じだが、面白かった。いろいろ印象に残った点はある。が、二つだけあげておこう。(1)なぜヒーマノイドでなければならないのか、アシモフは、社会自体が人間の身体性にあわせてデザインされているから、汎用性を持っていた方が経済的、と言ったそうだ。
その点で、私が一番注目したのは、どこに書かれていたかは忘れたが、身体的共感性である(そんな意味ではなかったかもしれない)。ロボットに手があれば、われわれはそれを自分の手と同じように感じ、万が一ロボットの手が壊れれば、自分の痛さや不便さを感覚的に再現できる。
(2)瀬名氏が書いている最後のところにある次の部分に刺激を受けた。
「つくる側がすべきことは何か。それは自分の面白いと思うことをロボットに実装させてゆくことである」