二日間これにかかり切りだった。
つまり、たとえば、ロボットが歩くなどのモーションを行った後に、QiChatスクリプトの中に組み込まれたイベントのルールを呼び出して、「歩き終わりました」などとしゃべらせたいわけである。
その逆は簡単であった。すなわち、QiChatスクリプトで、ロボットが「これから歩きます」などと言って、歩き始めることは、その言葉のあとに $start_walk=1などと、変数変化を組み込み、これをモジュール側でイベントとして受け取って、コールバック関数を起動して、AlMotionのmoveTo関数を起動してロボットを動かせば良いのである。
私は簡単に、動作が終わったあとモジュールの側でスクリプトに組み込み込んだ、イベント起動の変数の値を入力すればうまくいくものだと思っていた。たとえば、スクリプトの中に、
u:(e:finish_walk) 歩き終わりました
というイベントルールを組み込み、モジュールの側から、このfinish_walkという変数に適当に値を入れれば、変数変化のイベントが発生し、上記の「歩き終わりました」という言葉をロボットが発すると思っていた。
そこで、たとえば、memoryをALMemoryのインスタンスとして、C++APIのinsertData関数を使って、
memory->insertData("finish_walk",1);
このように値を入れればイベントが発生するはずだった。ところが、これがそのようには行かないのだ。
確かに、finish_walkに1という値は入力することができる。しかし、イベントルールは発火しない。
不思議なことに、
u:(あたいをいれる) $finish_walk=1
というルールをスクリプトに書いて、ロボットに、「あたいをいれる」と話しかけると、先のルールが発火する。どうなっているの??という感じだ。原因をさぐるためにいろいろやった。何をやったか忘れるくらいの究明作業だった。
結局、先のinsertData関数ではだめだったのだ。AlMemoryのraseEvent関数を使って、
memory->raiseEvent("finish_walk",1);
のようにしなければならないのだ。なぜそんな簡単なことがわからなかったのか。insertData以前にこれはすでに試みていて、失敗していた。しかし、今思えば、raseEvent関数の問題ではなく、他の欠陥だったのだ。詳しく詮索するのはやめよう。
教訓は次のようにまとめる。
「QiChatの中では、変数に値を入力すると、同時にそれはイベントを発火させる。モジュール側からは、raseEventを使って、入力とイベントを同時発生させる。insertDataは、単に値の入力作業しかしない」
何はともあれ解決してよかった。
モジュールとQiChatスクリプトのそれぞれの出口と入り口がつながって、iBotがChoregrapheの対話機能と同等の機能を持たせることが現実的なものとなった。