あるテレビ番組のオーディションが夜にあって、それに向けて、またその場で浮かび上がった課題を記しておく。
(1)メカナムホイール で移動する際、振動が発生する理由は、モーターを取り付ける金具が、振動するためだと思う。そこで、モーターをさらに固定するアルミ板を当てる必要がある。
(2)音声デバイスのカード番号、デバイス番号が適当に変わるので、プログラムで読み取って出力時に自動的に指定するようにすべきだ。
(3)エンコーダーによる回転の把握を、より細かくして、その粗さからくる四つのモータの停止位置の微妙な差をより小さくすべきだ。
月別: 2018年3月
すけるくんver.2の本体作り終わる
すけるくんの最初のバージョンを抜本的に組み直した。春休みのおかげで、ほぼ引きこもりで作業してきた。主な変更点は次の通り。
(1)衝撃にも壊れにくくする
(2)前後左右に超音波距離センサーを動かすことができる(SPIでデータ取得)
(3)エンコーダーで4個のモーターの回転数を独立にカウントできる(SPIでデータ取得)
(4)新基盤の上に制御ボードを配置、部品を圧縮配置
(5)6電池を廃止し、12V(X4)のみにした、外部電源は24Vのまま
(6)非接触型DCDCコンバータを並列にして、5V電源の容量を増大させた
以上に伴い、その他、細かい仕様の変更を行った。音声出力は、12.5X12.5のまま。音声認識マイクもそのまま。
二つのデバイスを、二つのMCP23S17で同時に制御する
その動画をyoutubeにアップしました。
https://youtu.be/u_VU2cOFWVY
デバイスアドレスを0、1に区別することで、一つのSPIチャンネルで別々に制御できることが確かめられた。
Cで書いた距離センサモジュールをjavaから呼び出す
4つの距離センサは、Cで制御し、4つのモータのエンコーダーからの回転数取得はjavaで制御しなければならない事情を先に書いた。そこで、2つのMCP23S17を使って、それぞれを距離センサとエンコーダ処理用にする戦略をとることにした。
RaspberryPi の一つのSPI0チャンネルに、上記の二つのMCP23S17をバスでぶら下げることにする。デバイスの識別は、A0,A1,A2端子を1、0で区別すればいい(8個区別出来る)。基本的に、0番と1番のデバイスにする。
距離センサはCプログラムで制御するのだが、ロボットの方は、javaで制御システムが書かれているので、センサのCプログラムは、ライブラリ化(libdistance.so)して、jna経由で、javaから直接そのライブラリを使うようにすればいい。これはすでにやったことがあるので、簡単にできると思ったが、結局、昨日の夜から今日の夜まで、かかった(途中、大学に行って学生の修論指導はしたが)!
第一に手こずった問題は、libdistance.soを作成して、javaのjnaを使ったプログラムを書いて、lib distance.soをLD_LIBRARY_PATHの環境変数で与えられる場所において、動かしてみたのだが、どうやっても、
「java.lang.UnsatisfiedLinkError: /tmp/jna-3577/jna760224136558438898.tmp: /tmp/jna-3577/jna760224136558438898.tmp: 共有オブジェクトファイルを開けません: そのようなファイルやディレクトリはありません」
というエラーが出る。色々やって、かなり長時間格闘して、結論的には、最新のjna.jar (4.5.1)とraspberrypiの何らかの相性が悪いという判断をした。同じ状況で、linux(ubuntu16.04)では、ちゃんと動くのだから。
これは間違っているかもしれない。が、私の能力の範囲での結論はそうなのだ。だから、去年ちゃんとraspberrypi上で動いたjna.jarを持ってきて、それでセットしたらちゃんと動いた。あ〜あ。
もう一つ、こちらは大したことはないのだが、wiringPiのライブラリもちゃんとくっつけて、libdistance.soを作成しないと、wiringPiの関数が見つからないと怒られる!
プログラムをいかに掲載する。まず、Cライブラリのプログラム distance.cは以下のようになる。
/* 距離センサーライブラリ MCP23S17をデバイス0番でセットしておく 使い方: getdistance('センサー番号:整数 0-3') */ #include <stdio.h> #include <wiringPi.h> #include <mcp23s17.h> #include <sys/time.h> #include <unistd.h> // 64より大きな数字、適当 wiringpiの要請 #define BASE 123 int trigPin, echoPin; int pulseIn(int pin, int level, int timeout){ struct timeval tn, t0, t1; long micros; gettimeofday(&t0, NULL); micros = 0; while (digitalRead(pin) != level){ gettimeofday(&tn, NULL); if (tn.tv_sec > t0.tv_sec) micros = 1000000L; else micros = 0; micros += (tn.tv_usec - t0.tv_usec); if (micros > timeout) return 0; } gettimeofday(&t1, NULL); while (digitalRead(pin) == level){ gettimeofday(&tn, NULL); if (tn.tv_sec > t0.tv_sec) micros = 1000000L; else micros = 0; micros = micros + (tn.tv_usec - t0.tv_usec); if (micros > timeout) return 0; } if (tn.tv_sec > t1.tv_sec) micros = 1000000L; else micros = 0; micros = micros + (tn.tv_usec - t1.tv_usec); return micros; } // セットアップ関数の呼び出しは、最初の1回だけである // 何度も呼び出してはならない void setup(int pin){ // pin -> 0-3 trigPin = BASE+pin+8; // B0-B3 echoPin = BASE+pin; // A0-A3 wiringPiSetup () ; mcp23s17Setup (BASE, 0, 0) ; pinMode (trigPin, OUTPUT) ; pinMode (echoPin, INPUT) ; pullUpDnControl (echoPin, PUD_UP) ; } int getdistance(){ long duration, distance; // HIGHが10μs継続するパルスを出す digitalWrite(trigPin, LOW); // Added this line delayMicroseconds(2); // Added this line digitalWrite(trigPin, HIGH); delayMicroseconds(10); // Added this line digitalWrite(trigPin, LOW); // その結果出力された超音波を受け取る // その時間差から距離を測る duration = pulseIn(echoPin, HIGH, 1000000); //printf("duration=%d ",duration); distance = (duration/2) / 29.1; //printf("距離 = %d cm\n",distance); //sleep(1); return (int)distance; }
これをコンパイルするためには次のようにする。
gcc -fPIC -shared -o libdistance.so distance.c -lwiringPi
最後に、wiringPiのライブラリをくっつけているところ大事。というのも、これをつけなくても、コンパイル自身は難なく通ってしまうから、実行時に叱られる。
export LD_LIBRARY_PATH=../XXX :$LD_LIBRARY_PATH
sudo ldconfig
とかする。../XXXはlibdistance.soをおく場所である。あるいは、
/etc/ld.so.conf.d
の設定ファイルに、そのパスを書いておき、ldconfigを実行するとかする。
import com.sun.jna.Library; import com.sun.jna.Native; import java.util.logging.Level; import java.util.logging.Logger; // ここの部分がlibdistance.soと接続するおまじない interface DistanceLib extends Library { DistanceLib INSTANCE = (DistanceLib) Native.loadLibrary("distance", DistanceLib.class); // 使うべき関数を宣言する int getdistance() ; void setup(int pin); } /** * * @author washida */ public class Distance { DistanceLib dlib = DistanceLib.INSTANCE; void show(){ dlib.setup(0); for(int i=0;i<100;i++){ int dis = dlib.getdistance(); System.out.println("No."+ i +": 距離 = "+dis+"cm"); try { Thread.sleep(1000); } catch (InterruptedException ex) { Logger.getLogger(Distance.class.getName()).log(Level.SEVERE, null, ex); } } } /** * @param args the command line arguments */ public static void main(String[] args) { // TODO code application logic here Distance dis = new Distance(); dis.show(); } }
こちらは特に問題はないだろう。
MCP23S17を使って、US-015の距離センサーを動かす
ロボットに四個の距離センサーをつけたい。四方の距離をいつでも測りたいというわけだ。US-015は、音波を発信してその跳ね返り時間で距離を測る。音を出すトリガとエコーを受け取る2つのgpioを消費する。八個のgpioを直接ラズパイのポートから取るというのは勿体なさすぎる。そこで、spiモジュールを使って、ラズパイのgpioを拡張してそこから取りたい。これが目標だ。
モーターの回転数をMCP23S17経由で取るというのは成功した。しかも、JAVAのpi4jを使って。これは先に書いた。
距離センサーは、同じようにpi4jでやろうとしたのだが、うまくいかない。超音波の発信と受信は、微妙な時間のタイミングで行われるので、どうもpi4jのライブラリとの相性が悪いと思った。
そこで止むを得ず、CのWiringPiライブラリで動かすことにした。まあ、動いた。
https://youtu.be/1zhjbX62gA8
ただ、問題はある。モータ制御との整合性だ。モーターは、JAVAで、距離センサーは、Cというのは、何しろ一つのMCP23S17なので、見るからにうまくいきそうにない。
両方Cで書くしかないが、モータの方はピンの値の変化をpi4jの割り込みで取っているので、それを割り込みを使わないでやれるようなCのプログラムを書かなければならない。それが面倒だ
距離センサのプログラムを以下に掲載しておく。
http://nopnop2002.webcrow.jp/HC-SR04/HC-SR04-1.html
と、wiringPiのMCP23S17サンプルを参考にさせていただいた
わかりやすく言うと、その二つを融合しただけである
#include <stdio.h> #include <wiringPi.h> #include <mcp23s17.h> #include <sys/time.h> #include <unistd.h> #define BASE 123 // トリガピンとエコーピンは、MCP23S17のピン番号である // 8ピンは、B0 // 7ピンは、A7 である #define trigPin 8 #define echoPin 7 int pulseIn(int pin, int level, int timeout) { struct timeval tn, t0, t1; long micros; gettimeofday(&t0, NULL); micros = 0; while (digitalRead(pin) != level) { gettimeofday(&tn, NULL); if (tn.tv_sec > t0.tv_sec) micros = 1000000L; else micros = 0; micros += (tn.tv_usec - t0.tv_usec); if (micros > timeout) return 0; } gettimeofday(&t1, NULL); while (digitalRead(pin) == level) { gettimeofday(&tn, NULL); if (tn.tv_sec > t0.tv_sec) micros = 1000000L; else micros = 0; micros = micros + (tn.tv_usec - t0.tv_usec); if (micros > timeout) return 0; } if (tn.tv_sec > t1.tv_sec) micros = 1000000L; else micros = 0; micros = micros + (tn.tv_usec - t1.tv_usec); return micros; } int main (void) { int i, bit ; int j,k,l,m; long duration, distance; wiringPiSetup () ; mcp23s17Setup (BASE, 0, 0) ; printf ("距離センサーテスト with Raspberry Pi - MCP23S17\n") ; pinMode (BASE + trigPin, OUTPUT) ; pinMode (BASE + echoPin, INPUT) ; pullUpDnControl (BASE + echoPin, PUD_UP) ; for(i=0;i<100;i++){ digitalWrite(BASE + trigPin, LOW); // Added this line delayMicroseconds(2); // Added this line digitalWrite(BASE + trigPin, HIGH); delayMicroseconds(10); // Added this line digitalWrite(BASE + trigPin, LOW); duration = pulseIn(BASE+echoPin, HIGH, 1000000); //printf("duration=%d ",duration); distance = (duration/2) / 29.1; printf("距離 = %d cm\n",distance); sleep(1); } return 0 ; }
エンコーダー付きDCモーターの回転数を取得する
エンコーダー付きDCモーターから回転数を取得する。モーターは前に書いたpololuの12Vモーター。
https://www.pololu.com/product/2824
モーターの配線に関する情報は上記にある。
モーターは四個あり、回転数の分解能を大きくするためには、各モーターがgpioを2本使う。合計8本。これをRaspberrypi3の本体から全部取るというのは、できなくなはないが、他に使う余裕はなくなってしまう。
そこで、MCP23S17チップを使って、GPIOの拡張をすることにした。配線は、記載の通りやれば良い。
http://ww1.microchip.com/downloads/jp/DeviceDoc/20001952C_JP.pdf
結構配線間違いで、時間を使ってしまった。MCP23S17はSPIポートを使う。ラズパイの設定で、使えるようにしなければならないのは当然である。MCP23017という兄弟のようなチップもあるが、こちらはI2Cポートを使う。I2Cポートはサーボモーターのためにとっておきたいし、SPIの方が一つ一つのデバイスとの絡みで更新速度が早いなどのメリットもある。
これで16ピン増やせた。
ロボットのシステムはJAVAで動かすので、pi4jのライブラリと、MCP23S17のサンプルを取ってくれば、難なく動く。A0,A1,A2をLOWにしておかなければならないことと、RESETをHIGHにしておかないと正常稼働しないのには注意。
MCP23S17の拡張16GPIOポートのうち、8個はこのモーター回転数のために使うが、残りは、距離センサーのために使う予定だ。